朝ドラ『おかえりモネ』もいよいよ佳境です。
気象予報士の仕事について知ることもできて面白いです。
今回のドラマ、なかなか人間の心理の深いところを突くセリフが盛り込まれていると思います。
なかでも、私がハッとしたセリフをひとつここにご紹介したいと思います。
菅波先生(坂口健太郎)がモネに放ったセリフ。
「あなたのおかげは麻薬です」
です。
このセリフを聞いたとき、
うぉぉぉぉぉ――――っ と叫びたくなりました。(このセリフが出た背景は省略します。ご興味のある方はドラマをご覧くださいネ♪)
たぶん、実際に「うぉぉぉぉぉ――――っ!」と唸ったと思います。それくらい、私にとっては芯をついた言葉でした。(さすがっ!安達奈緒子さん!)
そうなんです!過去の私が、、、この麻薬にハマっていました。
「誰かのために、何かのために、自分が役立てれば…」の先に、「あなたのおかげで…」と言われるご褒美をきっとどこかで期待していた自分がいました。
だれかが喜んでくれて、その喜びを伝えてもらえたらそれは嬉しいです。有難いと思います。
でも、私はそのために行動しているわけじゃあない…。でも、心のどこかで、「誰かに喜んでもらいたい」と思っていたに違いありません。
過去の私は、自分が世の中のために役に立ちたいという強い信念に囚われて生きてきました。たぶん、この『「お母さん」を学ぼう会』を立ち上げた経緯も、こうした思いの延長にあったのは間違いありません。
でも、今は、この「あなたのおかげは麻薬です」という言葉が、本当に良く解る…。麻薬から解放された証かもしれません。
誰かのため…何かのため…は素敵です。素晴らしい考え方だと思います。
でも、実は、その奥の奥に、誰かのため、何かのために行動した結果、誰かから何かからのレスポンス(例えば、感謝など)を自分への褒美として期待している、ということに気づいたのです。自分でさえ自覚せず、本当に善意を持っているつもりでも、実は、その人のための行動の先に、誰かから自分を認め評価してくれることを期待しているのではないか、と。つまり、「あなたのおかげ」ではなく「自分のおかげ」という満足感を手に入れたいための行動かもしれない…。
私の中の信念価値観が「世の中や誰かの役に立たなければ生きている意味がない」から「自分の人生は自分のために生きる」に変わったからこそ、この「あなたのおかげは麻薬です」の意味がグッときたのだと思います。
今は、私は自分のためだけに生きているということを実感しています。きっと、周りから見ると以前の行動と全く変わらないと思われるかもしれません。実際に、何も大きく変えたものはありません。でも、心持ちは全く違います。
私は、私のために生きています。
ですから、たとえば、一見、「誰かのため」と思われるような行動でも、それは「私のため」にしています。ですから、行動そのもので私自身が満足するのです。
きっと、誰かからの感謝や承認を期待していたら、それがないと満たされないでしょう。でも、行動そのものが自分のためであれば、そのエネルギーはまっすぐ自分のために使われます。だから、消耗しません。
ですから、私はこれからも、自分のために生きていきます(笑。
「自分のため」は、けして利己的であるというのではなく、私自身が、私の心が満足できるように生きていく、ということです。ですから、私の信念価値観がとても大きく関わってくるのでしょう。
ココサポ・プログラムは、今期も前回同様ベーシックコース(基礎)がスタートしました。自分の中に在る信念価値観は、実は、何かに囚われているときのそれと、囚われていたものから解き放たれ本来の自分を取り戻した時のそれとは、まったく違うことがあります。ココサポ・プログラムでは、この信念価値観に向き合いますが、ワークショップを通しての気づきによって新しい自分と出会うことができるかもしれません。その変化も楽しんでいただけたら嬉しいです。
今まで自分を支えてきた信念価値観が、実は、自分を支えてもらうために必要だったもので、支えが不要になったとき、新たな信念価値観に気づくかもしれません。
いずれにせよ、自分自身とじっくり向き合い、気づきや変化を味わう大切な時間にしてもらえたら、と思います。
追伸、
子育て中によく出てくる言葉
「あなた(子どもの名)のために言っているのよ」
というセリフも、たいていは(子どものため)と思っているその先に(親である自分のため)であることも多いと思います。子どもが望むこととは違うことを強いるときに、この言葉を使うときは特にそうです。